良品計画で働く社員やスタッフが選んだ2022年下半期おすすめアイテム 「スチールタップ収納箱フラップ式」

 株式会社良品計画では、半年に一回社内アンケートを取り、周りにおすすめしたい商品を決めています。2021年9月以降に新発売となった商品の中で、見事一位に輝いたのは「スチールタップ収納箱フラップ式」でした。

 「スチールタップ収納箱フラップ式」は、煩雑になりがちな電源タップ*や延長コードまわりをスッキリと整理することができる収納箱です。他社製品よりもコンパクトなサイズで、電源の差し込み口にホコリが入るのを防ぐ蓋をフラップ式にすることで、置き蓋式よりも開け閉めのストレスがないところがお客様から好評です。
2022年6月2日の発売後、予想以上にご好評いただき、初回の生産分は、2カ月で完売しました。その後、9月に再販し、現在も売れ行き好評です。
*電源タップは、1つのコンセントから複数の電気器具に電気を供給するための器具

■開発のきっかけ
 新型コロナウイルスの流行がもたらしたテレワークの増加により、当社もテレワークを推奨しました。今回の開発に携わったデザイナーの岡本さんは、デスク上のケーブル環境の整理に悩んでおり、多くのお客様も同様の悩みがあるのではないかと考えました。
 市場調査を行ったところ、多数のケーブルをまとめるには便利な大きめの収納箱が多いものの、デスクの上に置けるコンパクトなサイズのものが不足していることが分かりました。そこで、デスクの上の限られたスペースにも置ける収納箱の開発に臨みました。
 開発チームが市場に出回っている様々な製品を検証したところ、収納箱に電源アダプターを入れると、熱がこもり、発火する恐れがあることが分かりました。また、ケーブルが絡まりやすいなどの課題もあると分かりました。そこで、以下のポイントに重視して開発を進めました。
① 耐熱性のあるスチールを使用し、さらに底面に通風用のスリットを付けて熱を逃がす
② ホコリが入るのを防ぐとともに、開け閉めしやすいフラップ式のフタを付ける
③ 机の上に置いても邪魔にならず、かつ大型の6個口の電源タップがぴったり入る大きさにする
④ 3方向からアクセスできるよう正面上部・左右下にケーブルを通す穴をつくる
⑤ 掃除をするときに動かしやすくするため、既存商品の「ポリプロピレンファイルボックススタンダード用キャスターもつけられるフタ」と「ポリプロピレン収納ケース用キャスター」のサイズに合わせて開発する

■岡本さんのコメント
 新型コロナウイルスの蔓延により、収納箱の需要が高まると考え、開発を始めました。私は以前から、個人的に家のケーブルマネジメントが現代人の課題であると考えていました。家のケーブル事情を細かく理解するため、自宅のケーブル環境を調べ、市場品を使って整えてみました。また、既存品の電源タップの大多数が入るようなサイズを目指して、20個以上の電源タップを購入してサイズを調整、かつ、家の中に設置しやすいサイズを思索しました。私はステーショナリー担当として商品開発を進めていましたが、収納箱は家電に関連するため、電化製品の知識が必要でした。そこで、エレクトロニクスの商品開発担当にも声をかけ、共同開発しました。エレクトロニクスチームの知見により、ステーショナリーチームだけでは気づけなかった課題も明確になりました。異なる部署のメンバーが団結し、力を合わせたことが成功の一要因だったと考えています。

■今後の目標
 収納グッズ、ケーブル類、電源タップ、モバイルグッズなど、テレワーク環境に必要なアイテムを無印良品で揃えることができるよう引き続き開発を進めていきます。スマートなテレワーク環境を提供することで、お客様のライフスタイルに合った快適な暮らしを実現することを目指しています。

岡本 和士さん
2014年より業務委託契約デザイナーとして、無印良品の商品企画・デザインに従事。
ステーショナリー、ファニチャーを担当した後、現在はハウスキーピングのデザインを担当している。