環境への配慮

気候変動への対応

気候変動への対応方針

良品計画は、気候変動に関わる課題を重要なテーマとして捉え、気候変動と生物多様性への影響を軽減するため、事業活動全般における温室効果ガス排出量の把握と削減に取り組んでいます。

2030年までにグループ全体の温室効果ガス排出量(スコープ1,2)を2021年8月期比で50%削減することを目標として掲げています。脱炭素経営に向けたアクションを着実に進めるため、2030年までに店舗への再生可能エネルギー導入100%、そして自社の店舗設備での太陽光パネル設置100%を目指します。

また、取引先などと協働し、自社の店舗、サプライチェーン、提供する商品、サービス、活動それぞれの全ライフサイクルにわたり、省エネルギー化の推進、温室効果ガス排出量削減の取組み、エネルギー効率の向上に取り組んでいます。

加えて、気候関連財務情報開示の重要性を認識し、気候関連のリスクと機会がもたらす事業への影響を把握し、戦略の策定、実行を進め、TCFDの枠組みに沿った情報開示の拡充を進めていきます。

気候変動への取り組み

良品計画は、事業を展開している国と地域で、エネルギー削減の目標を尊重しながら、取引先などと協働し、省エネルギー化を推進、事業活動におけるエネルギー効率を向上させます。

本社ビルの取り組み

本社ではLED照明の導入、南側窓への遮熱シートの貼付など、省エネ対策を実施しています。引き続き、全社をあげて省エネルギーに努めています。

物流センターの取り組み

鳩山センター

物流センターでの主な使用エネルギーは電気で、その用途は商品搬送コンベアならびに空調・照明です。その他、継続している施策は以下のとおりです。

1. 伝票レスで納品、出庫

ほぼ全ての商品の納品と直営店舗への商品出庫を伝票レスで行っています。

2. 通いコンテナによる納品

店舗への納品にコンテナを導入し、店舗・センター間でリユースして使用しています。

3. 船舶の利用

北海道・沖縄の店舗へは船舶を使用して納品を行い、CO2削減に努めています。

4. 店舗納品の積載率向上と納品回数の適正化

積載率を上げることはもちろん、納品数量の基準を設け、総商品供給量の少ない店舗に対しては、週5日納品から週4日納品に縮小するなど、全店の商品供給回数の適正化に努めています。

5. 製造工場から商品をお客様に直送することで走行距離を短縮

無印良品を象徴する商品でもあるポリプロピレン収納・体にフィットするソファは、製造工場からお客様に直接納品することで走行距離を短縮。それにより、配送時の商品破損も削減しています。

6. 店舗供給に使用するダンボールの一部をリユース

物流センターで発生するダンボール・古紙の一部を回収し店舗供給に使用するダンボールにリサイクルするしくみを導入しています。

7. 消費地近郊に物流センターを移転し、店舗へのトラック輸送距離を短縮

2014年鳩山センター立ち上げに伴い、衣服・雑貨の在庫拠点を新潟県から埼玉県へ移管しました。店舗が集中している関東圏に在庫拠点を設けることで、国内トラック輸送距離の短縮に取り組んでいます。

8. グローバル物流・通過センターの稼働

2013年、生産拠点のひとつである中国にグローバル物流センターを立ち上げ、商品の在庫拠点を新潟から中国へ移管しました。また、2014年、生産拠点のASEAN移管に併せて、ASEAN域内にグローバル通過センターを開設しました。複数の工場で生産した商品をグローバル物流・通過センターに集約し、コンテナの積載率をあげることで、海上輸送および日本国内輸送の効率化を進めています。

9. ソーラーパネル設置と再生可能エネルギーの導入

ソーラーパネルと再生可能エネルギーの導入

鳩山センターでは屋上に1,400kwhの太陽光発電パネルを設置して、使用する電力量の約半分の再生可能エネルギーを導入しています。この太陽光発電パネルでは一般家庭の年間消費電力約228世帯分の電力をまかなうことができます。年間約494トンのCO2を削減し、約72haの広葉樹林整備と同等の効果を想定しています。

店舗の取り組み

一部の店舗を除く標準型店舗では、省エネのため営業時間終了後30分以内での退店を心がけています。また、LED照明の導入を促進するとともに、営業に直接影響のでない間接照明などの使用を抑制し、省エネに努めております。

無印良品キャンプ場

キャンプ場の取り組み

良品計画が運営する3つのキャンプ場(新潟県津南町、岐阜県高山市、群馬県嬬恋村)では、合計で約70万坪(約231.4ha)のキャンプ場周辺の森林を天然に近い形で管理・保全することで、木の炭素固定によるCO2の吸収に貢献しています。

また、地域の方に講師として参加していただくアウトドア教室の開催やキッズサマーキャンプの開催を通して、自然への理解を深めていただく活動を行っています。

自然災害リスクへの適応策

自然災害などが起きた際の従業員の安全確認に備えた対応を策定しています。従業員向けにアプリを使用し迅速に安否確認が取れるシステムを導入し、実効性を高めるために、定期的に安否確認訓練や災害時の初期対応のレクチャーを実施しています。

本社では、食料品のローリングストックによる備蓄を実施、また店舗では懐中電灯など災害時必需品の装備等を行っています。

なお、従業員のみならず地域全体での対応策として『日々のくらしの中に備えを組み込む』という考えを基に、「いつものもしも」をテーマにした商品開発やイベント開催を行い、地域の住民と共に防災への意識向上を図っています。

GHG排出量

GHG排出量の削減目標:2030年8月期比までにグループ全体のスコープ1,2を2021年8月期比で50%削減

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単位:t-CO2e 範囲:良品計画グループ
スコープ 項目 2021年8月期 2022年8月期
スコープ1 スコープ1排出量 1,203 1,422
内、代替フロン(HFCs)排出量 15 64
スコープ2 マーケットベース 58,002 63,758
ロケーションベース 62,266 66,324
スコープ1+スコープ2(マーケットベース) 59,205 65,180
基準年比(%) 基準年 110.1%
CO2排出原単位:t-CO2e/営業収益(百万円) 0.130 0.131

※スコープ1,2の集計対象:良品計画グループの直営店舗(無印良品,Café&Meal MUJI,Café MUJI,IDÉE),オフィス,物流拠点,無印良品キャンプ場,その他自社が管理する施設。
※スコープ1,2のエネルギー使用量について:ビル運営会社等からエネルギー使用量が得られない場合、単位面積当たりのエネルギー使用量で推計しています。
※スコープ1の排出係数について:日本・海外ともに環境省の算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧を使用しています。
※スコープ2のマーケットベースについて:電力供給元に関する情報がビル運営会社等から得られない場合、その地域の小売電気事業者の排出係数を使用して算定しています。
※スコープ2のロケーションベースについて:日本は電気事業者別調整後排出係数、海外はIEA Emission Factorsの最新年度版を使用しています。

単位:t-CO2e 範囲:良品計画グループ
スコープ カテゴリ 2021年8月期 2022年8月期
スコープ3 1. 購入した製品・サービス 897,686 998,449
2. 資本財 52,127 78,125
3. スコープ1, 2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 10,258 11,549
4. 上流の輸送、配送 77,680 80,063
5. 事業から出る廃棄物 2,459 2,485
6. 出張 3,110 4,972
7. 雇用者の通勤 6,557 6,138
8. 上流のリース資産(スコープ1, 2に計上) - -
9. 下流の輸送、配送(カテゴリ4に計上) - -
10. 販売した製品の加工(対象外) - -
11. 販売した製品の使用 127,041 98,215
12. 販売した製品の使用者による廃棄 93,237 109,167
13. 下流のリース資産(対象外) - -
14. フランチャイズ 4,890 5,855
15. 投資(対象外) - -
スコープ3合計 1,275,047 1,395,018

セグメント別のGHG排出量や、算定に関する詳細はESGデータブックをご参照ください。

第三者検証

良品計画は、開示データの信頼性向上を目的として温室効果ガスの算定手法や算定範囲の適切性について、一般社団法人日本能率協会 地球温暖化対策センターによる第三者検証を受審しています。

検証範囲:
・良品計画グループにおける2021年8月期の温室効果ガス排出量(スコープ1および2)
・良品計画グループが2021年8月期に購入した製品やサービスにおける温室効果ガス排出量(スコープ3カテゴリ1)

エネルギー使用量

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単位:MWh
バウンダリ エネルギー 2021年8月期 2022年8月期
良品計画グループ 都市ガス 5,892 6,664
LPガス 296 249
灯油 253 355
軽油 21 19
揮発油 (ガソリン) 53 55
温水・冷水 15,900 19,023
電気 118,861 131,889
内、再生可能エネルギー調達量 2,099 3,008
電気使用量に対する再生可能エネルギー調達割合(%) 1.8% 2.3%
合計 141,275 158,254