Product Focus 第5回 首のチクチクを抑えたセーター

 身ごろは暖かいメリノウールで、衿の部分に肌触りよい綿混素材を使い、首のチクチクを抑えた「首のチクチクを抑えたセーター」シリーズ。2009年から展開し、累計で1000万枚以上販売しています。Product Focus 第5回では、衣服・雑貨部の担当者に取材し、「首のチクチクを抑えたセーター」の魅力を紹介します。

■商品開発のきっかけ
 寒さの深まる時期に、首元も含めて暖かく過ごしたいと思っている方が多いですが、ウール素材のセーターを着るとき、首の部分にチクチク感やかゆみを感じて悩むという声もいただきました。無印良品は、お客様の声に耳を傾け、首元も含めて1枚着ていただくだけで暖かいベーシックなセーターを作りたいという想いから、2009年に「首のチクチクを抑えたセーター」を開発しました。
 身頃には細番手のメリノウール100%を使用することにより体を暖かく保つ一方、肌触りもなめらかになっています。首の部分は綿(オーガニックコットン)とポリエステルの混紡素材を使用しています。さらに、ポリエステルは「クールマックス」という汗を素早く吸い取ることができる機能素材を利用しているため、ドライな着心地が続くだけではなく、やわらかな風合いもあります。首元のチクチク感やかゆみを抑えながら、蒸れにくい一枚となっています。

■動物にも地球にも優しい
 「首のチクチクを抑えたセーター」の身頃に使用しているウールは、羊本来の自然のままのやさしい飼育方法にこだわり、ノンミュールジング※の羊の毛のみを使用しています。
 また、資源を無駄なく活用する点から、生産工程で出るゴミを最大限に削減するため、編立ての時は各パーツにかたどって作っています。パーツを作るための裁断工程を無くし、生産過程の中から出てくる端切れなど、ゴミの削減も実現しています。
※ノンミュールジングとは、特に暑い地域で育つ羊に対して行われるミュールジング(蛆虫の寄生を防ぐために皮膚や肉を切り取るという特殊な方法)が施されていないことです。

■進化し続ける定番
 発売当初は、「天竺編みタートルネック」と「リブ編みタートルネック」の2種類のみの展開でしたが、お客様のご要望に応えて品揃えを拡大し、シーンに合わせて着用できる「太リブ」「ケーブル編み」などの編地変化の商品を加え、「ハイネック」タイプや「ワンピース」「チュニック」も展開しました。
 身頃のウール素材と首部分の綿混素材の素材差によって色の差が出ないように、生地の染め方を取引先工場のご協力をいただきながら1つの商品として完成しています。またパーツのリンキング方法なども様々な工夫をしてリンキングがほどけてしまう不良品を低減させています。
お客さまが手軽にご自宅の洗濯機で洗っていただけるよう、社内外関係者・取引先と協力し、研究を重ね試行錯誤した結果、耐洗濯試験36回洗いの基準に合格しています。今後もさらに、どの国・地域の基準にも対応できるようなグローバルのマシーンウォッシャブルの基準をクリアできる商品クオリティを維持していきます。

■今後の目標
 今後は、より多くの方に安心してお買い求めいただけるように、素材の追及、機能の改良をし続け、「品質」と「価格」、「意味」を徹底的に磨き、暖かく何度でも着たくなるファンの多い世界一のセーターを目指します。無印良品が考える「これでいい」という質素・簡素を楽しむ「感じ良いくらし」をお客様とともに共創したいと考えています。