株式会社良品計画

地域のコミュニティセンター

店舗の活動

はじめに

良品計画は、全国津々浦々の店舗が地域のコミュニティセンターとして進化していくことを目指しています。そのためには、店舗スタッフ一人ひとりが目の前のお客さまの役に立つために何ができるか、自ら主体的に考え行動することが重要です。「人」を第一に据え、スタッフの自律的な成長を促進することが、地域のお客さまのための質の高い個店経営の実現につながり、持続的な事業成長の原動力になると考えています。

「人が売る」店舗づくり

「人が第一、次にビジネス、業績はついてくる」という考え方を指針に、主体性を重んじる業務の在り方への転換やインナーコミュニケーションの強化を通し、自律・自発の組織風土づくりを進めてきました。また、店舗人員の充足にも継続的に取り組んでいます。今後は、この自律・自発の風土と組織体制を基盤とし、それぞれの店舗が地域を知り、自店の特性からPL※1や営業展開計画を立て、お客さまのニーズや期待に応える個店経営をより一層加速させていきます。具体的には、「人が売る」をキーワードに、店舗スタッフが主役となり、スキルや商品知識を身につけ、生き生きと接客業務にあたることができるよう、専門スキル教育を強化しています。スキンケア用品や化粧品の専門スキルを身につけた「ヘルス&ビューティー(H&B)アドバイザー」をはじめ、インテリアアドバイザーやコーヒーインストラクター、ストアVMD※2などのスキル開発を推進しています。また、個店経営や店舗マネジメントに必要なスキルとして、販売・在庫計画や人員計画、部下育成などの研修を拡充しています。全員で教え、育て合うチームを目指し、スタッフ育成のトレーナー制度の構築も進めています。

※1 PL(Profit and Loss statement):収益・費用・利益が記載された損益計算書

※2 VMD(Visual Merchandising):商品を見やすく、買いやすい売場をつくること

コミュニティセンターを目指した店舗での取り組み

各店舗が地域のコミュニティセンターとしての役割を持ち、地域のステークホルダーの皆様とともに、地域課題に取り組むことで、地域への良いインパクトを実現することを目指しています。特に、環境配慮・防災・食と農・健康・地域再生・伝統文化を軸とし、店舗を起点とした活動を展開しています。地域との対話を通し、地域の声に寄り添った活動を進めています。

つながる市 ―地域の活性化―

「つながる市」は、「ヒトとつながる、マチをつなげる」をコンセプトに、全国の無印良品の店舗で不定期に開催している、地域の人々と協力しながら企画・運営するマーケット型のイベントです。地域の出店者による食品や特産品、手工芸品の販売をはじめ、地元の交流イベントなど、多彩なプログラムで構成されています。さまざまな年代が楽しむことができ、地域の方々が地元の魅力を再発見し、つながり合うことができる場づくりに取り組んでいます。

ワークショップや体験イベント ―伝統や文化の体験―

全国の無印良品の店舗で、事前申し込み制のワークショップや体験イベントを開催しています。地域で活躍される個人や団体を講師として招き、伝統工芸品やクラフトアートづくり、料理教室など、多様な体験型イベントを行っています。地域で活躍される方の活動の場として無印良品を活用いただき、地域の方に伝統や文化を体験する機会を提供できるよう、今後も取り組みを強化していきます。

無印良品 イベント詳細

タウンミーティング ―地域との対話―

店舗はお客さまや地域の生活者の皆様と出会う重要な対話の場です。2024年4月からは、対話の取り組みをさらに深掘りし、地域事業に注力している大型店舗を中心に、各店舗の従業員により企画・開催する、少人数形式での対話イベント「タウンミーティング」を開催しています。地域住民および地域事業者の皆様を広くお迎えし、当社が目指す方向性や店舗での取り組みをご紹介することで、事業活動への理解をより深めていただくだけでなく、地域の皆様が目指す地域の姿や無印良品に期待されることをお伺いすることで、より地域に根差した事業活動へとつなげていきます。

資源の回収と循環 ―循環型社会の実現―

良品計画はステークホルダーの皆様とともに、資源循環型の社会を実現することを目指しています。
無印良品の店舗では、一部商品を対象に、お客さまから不要になった商品を回収し、より長く使っていただけるように、リユース・リサイクル活動に取り組んでいます。回収した商品は、原料として再資源化するほか、リユース・アップサイクルして「ReMUJI」として販売しています。
また、一部の店舗では、中古品や新古品の家具をはじめ、傷・汚れなどによりお客さまにお届けできなかった商品や、開封後返品された商品など、まだ十分に使える商品を廃棄するのではなく、お買い得な価格でお客さまに販売する「もったいない市」を開催しています。

OpenMUJI ―地域の交流―

各地域の拠点となる店舗には、ワークショップやトークイベント、企画展示などを行える場として、「OpenMUJI」を設置しています。
地域のさまざまな活動を通して、人と人の交流が生まれ、これからの「感じ良い暮らしと社会」を考えるための開かれた空間となることを目指しています。

ヘルスケア ―地域の健康―

店舗が生活者の方々の健やかな暮らしに関わる場となることを目指して、店内にヘルスチェックスペースを設置し、地域の皆様の健康維持・病気予防のための商品、サービスなどを提供しています。「日々の暮らしを自然に見つめなおすきっかけをつくり、自分らしい健やかさを実現するための行動を後押しする」ことをコンセプトとしており、地域行政、医療とも連携した情報発信や取り組みも行っています。
2021年、新潟県上越市にある「無印良品直江津」に初めて設置し、以降広島県広島市の「無印良品広島アルパーク」、「無印良品ゆめテラス祇園」、大阪府大阪市の「無印良品グランフロント大阪」、山形県酒田市の「無印良品酒田」の計5店舗で展開しています。薬剤師や看護師、管理栄養士などの専門家などによる健康相談や、ヨガ、薬膳セミナー、ウォーキングなど健康に関する様々なイベント、ワークショップを開催しています。

※2025年3月時点

いつものもしも ―防災の日常化―

いつものもしも防災スリッパかかと付き

ローリングストックセット

「いつものもしも」は、「防災の日常化」を掲げ、日々のくらしの中に備えを組み込むことで、社会全体の防災意識を高めることを目指しています。使い慣れた日用品や食品で災害時も対応できることを目指し、平時だけでなく災害時にも役立つ商品を開発しています。
例えば「いつものもしも防災スリッパかかと付き」は、日常づかいできる商品でありながら、避難時に大切な足を守るため、スリッパに釘やガラスの貫通を防ぐ踏み抜き防止シートが入っています。また、「ローリングストックセット」として、無印良品で人気のレトルト食品の中から、お客さまがローリングストックに活用くださっている商品を中心に5商品を選定し、セット販売しています。
ほかにも自治体と連携した防災ワークショップやイベントの開催など、こどもから大人まで参加できる啓発活動を各地で行っています。地域・企業・行政が垣根なくつながることで、地域全体の防災力の向上を図っています。

いつものもしも

外食・食と農 ―食を通じた地域の活性化―

Café & Meal MUJI みんなみの里

イオンモール堺北花田

食を通じた地域・コミュニティーの活性化を目指し、様々な取り組みを行っています。
全国各地で展開しているレストラン「Café&MealMUJI」では地場の旬の食材をたっぷりと使った、食材本来の味わいを楽しむことができる料理やデザート、ドリンクを提供しています。その土地ならではの伝統野菜や特産食材を使用することで、生産者の方々とお客さまをつなぎ、各地の紹介や活性化につながることを目指しています。
一部の店舗では、地元のアイスクリームメーカーと協業して開発する、その土地ならではのフレーバーを楽しめるアイスクリームや、豆から挽いた淹れ立てのコーヒーを提供する、コミュニティスペースを展開しています。地域と連携しながら、その土地ならではの魅力あるメニューを提供することを通じて、地域に必要とされるコミュニティスペースの創出を目指します。
また、一部店舗では産地直送を基本とした生鮮食品(野菜、果物、精肉、鮮魚など)を取り扱っています。食べ物を単に購入する場だけではなく、生産者や生産現場とのつながりや交流を通じ、食べ物と人との関係を再度見つめなおすきっかけとなる場になることを目指しています。

移動販売 ―地域に出向く―

自らお客さまのもとへ出向く、新しい無印良品です。2020年夏より、新潟県上越市・山形県酒田市の中山間地域において、移動販売をスタートしています。無印良品の商品の販売を通じて地域住民の方々から日々の生活における困りごとを伺い、その解決策を検討していきます。地域で助け合うことのできる「暮らしやすく住みやすい持続可能な地域づくり」に向けて、商いを通じて人と人とのつながりを創出することを目指します。

移動販売

木育広場 ―こどもと楽しむ―

木のぬくもりのある遊び場で、木の大切さや魅力を感じてほしいという思いから、一部の店舗で、お買いもの中に親子で遊べる「木育広場」の設置に取り組んでいます。
良品計画は2013年4月に、東京都新宿区にある東京おもちゃ美術館が推進している子どもたちに木の大切さとぬくもりを伝える活動「木育」に賛同し、ともに活動を進める「ウッドスタート宣言」を行いました。

【ウッドスタート宣言】
  • 国産材中心の木材で作られた遊び場「木育広場」を推進します
  • 移動型おもちゃ美術館「木育キャラバン」など、イベントを実施します
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