株式会社良品計画

環境への配慮

資源循環

基本方針

良品計画グループは、提供する商品、サービス、活動を通じて、資源循環型・自然共生型の社会、持続可能な社会の実現を目指しています。商品や店舗資材、その他事業活動に関わる物品を対象に、開発の段階から使用後までの一連の活動で、資源の使用量の削減および廃棄物の削減を推進し、循環型経済の実現に貢献します。その実現に向けて、良品計画グループ、サプライチェーン、お客さま、それぞれの視点に立脚し、リデュース、リユース、リペア、リサイクル等の活動を積極的に推進し、商品や資材のライフサイクル全体において環境負荷の低減を図ります。

良品計画グループ 環境方針

目標

良品計画グループは、商いを通じて新しい価値を創造することで、社会へ貢献していくことを目指します。
具体的には、バージンプラスチックの使用を削減し資源循環を推進するため、販売したプラスチック製品の回収に積極的に取り組み、2030年までには100%再利用することを目指しています。また、2030年までに包材や資材の脱バージンプラスチック100%と、リサイクルを前提とした製品設計100%を目標としています。

管理体制

環境マネジメント体制に従って管理・推進しています。

環境マネジメント体制

資源循環に関するデータ

ESGデータ

リスク・課題認識

良品計画では、原材料の調達、商品の製造・販売において、限られた地球の資源を多く使用していることを認識しています。資源の枯渇は、事業だけでなく地球全体の持続可能性に関わる重要な問題であり、商品の製造と販売を担う企業に求められる社会的責任と自覚しています。
資源循環型のものづくりの実現のために、再生材の調達と活用、使用済み商品や規格外品の回収と再資源化が課題となっています。

取り組み

店舗での無印良品の商品の回収

良品計画は一部商品を対象に、お客さまから不要になった商品を店舗で回収し、より長く使っていただけるように、リユース・リサイクル活動に取り組んでいます。対象商品(衣料品、プラスチック収納用品、PETボトル、羽毛ふとん)をお持ちいただいたお客さまには、無印良品の会員プログラム「MUJI GOOD PROGRAM」でポイントを付与しています。
商品が使用された後のことまでを考え、今後も回収された商品の再資源化の取り組みを推進します。

項目対象説明
衣料品無印良品で販売している衣料品全般(下着・靴下・靴・バッグ・帽子等の服飾雑貨は対象外)お客さまに長年愛用していただいた衣料品を回収し、まだ着ることができる服を染め直しなどの加工を施し、アップサイクルして衣料品として再生、販売しています。
プラスチック収納用品無印良品で販売しているポリプロピレン/ポリエチレン収納基準をクリアしたものは、中古品としてリユース販売しています。基準に満たないものは、粉砕・洗浄した後、再生原料として無印良品の商品に再利用しています。
PETボトル無印良品で販売している化粧水/乳液/導入化粧液全シリーズのPETボトル、ヘアケア、ボディケア、ルームスプレー全シリーズのPETボトル、自分で詰める水のボトル回収したPET素材のボトルをリサイクルすることで、プラスチックごみを削減し、石油由来原料の有効活用につなげています。
羽毛ふとん無印良品で販売している羽毛ふとん全般(ポリエステルわたふとん、ダウンジャケットは対象外)回収した羽毛ふとんは洗浄を行い、原料として利用し再商品化につなげています。
体にフィットするソファ無印良品で販売している体にフィットするソファ基準をクリアしたものは、洗浄後に中古品としてリユース販売しています。基準に満たないものは、再生材入りの商品をつくる素材として活用しています。
ユニットシェルフの回収無印良品で販売しているユニットシェルフ本体(ステンレス・スチール)、及びパーツ類回収したユニットシェルフは、状態を見てメンテナンスし、リユース販売につなげています。

※回収対象店舗はこちらよりご確認ください。

衣料品のリユース・アップサイクル

お客さまに長年ご愛用いただき不要となった衣料品を回収し、新たな価値のある商品に再生させる取り組みを行っています。
回収した衣料品は、藍色などに染色する「染めなおした服」に加え、染料が入りづらい化学繊維などの服を洗い直し古着としてリユース販売する「洗いなおした服」や、服と服をつなぎ合わせてリメイクした「つながる服」として、一部店舗で販売しています。アップサイクルが難しい衣料品や繊維製品は、さまざまな原料として再生し、資源の循環を進めています。
2015年より取り組みをスタートし、2025年には10周年を迎えました。回収量および販売数量は年々増加しています。今後もキャンペーンの開催や、取り扱い店舗の拡大を通し、より多くのお客さまとともに衣料品の循環に取り組んでいきます。

染め直した服

洗い直した服

つながる服

再生プラスチックを使用したスキンケアボトルとPETボトルの再資源化

2023年9月にリニューアルした「敏感肌用シリーズ」のボトルは、うっすらと黄味がかった色をしています。使用済みPETボトルを選別・粉砕・洗浄して表面の汚れや異物を取り除き、高温で処理するメカニカルリサイクルを行うと、その影響でボトルが黄色くなりますが、安全性には問題ありません。現時点では市場に流通している飲料用PETボトルの再生素材を使用していますが、今後は無印良品の店舗で回収したPETボトルを再資源化し、化粧水ボトルに循環させていけるよう、取り組みを進めています。これにより、プラスチックごみを削減し、石油由来原料の有効活用につなげていきます。

「敏感肌用シリーズ」

店舗でのPETボトルの回収

プラスチック製品の回収、リユース、リサイクル

良品計画では、2020年7月に使用済みのPET素材のボトルの回収を始めました。使い終わった化粧水や乳液のボトル、また「自分で詰める水のボトル」の買い替えの際などに空のボトルを店頭で回収しリサイクルすることで、プラスチックごみを削減し、石油由来原料の有効活用につなげています。
そして2023年2月からは、収納用品やダストボックスなど、幅広くプラスチック製品を回収しています。破損の有無にかかわらず回収し、種別ごとに仕分けした後、基準を満たすものはメンテナンスし中古品としてリユース販売し、基準を満たさないものは粉砕・洗浄のうえ再生原料として無印良品の商品に再利用しています。
リサイクルを実現するためには、回収量が必要です。2024年8月期からは、より多くのお客さまに活動に参加いただくために、持ち込みの際に付与されるポイント数が通常より多い、期間限定のキャンペーンを定期的に開催しています。多くのお客さまにご協力いただき、プラスチック製品の回収量は順調に伸びています。
今後もコミュニケーションや施策の強化を通し、より多くのお客さまとともに循環型社会を実現していくことを目指します。

店舗でのプラスチック収納用品の回収

全国から回収されたプラスチック収納用品

もったいない市

「無印良品 銀座」での「もったいない市」開催の様子

ネットストアもったいない市

「もったいない市」は、限りある資源を無駄にするのは「もったいない」という思いから、中古品や新古品の家具をはじめ、傷・汚れなどによりお客さまにお届けできなかった商品や、開封後返品された商品など、まだ十分に使える商品を廃棄するのではなく、お買い得な価格でお客さまに販売する取り組みです。一部店舗のほかネットストアにて実施しており、リユースの活動を推進しながら、日常生活ですぐに使える家具や雑貨を取り揃えています。
中古品は主に「月額定額サービス」でのご使用を終えた家具です。無印良品では、ものを長く大切に使う社会の実現を目指して、ベッドやデスクなどの大型家具を購入せずに必要な期間だけご利用いただける「月額定額サービス」を2021年よりスタートしました。ご利用期間を終えた家具は、状態を確認したのち、クリーニングや消耗したパーツを取り替えるなどのメンテナンスを施したうえで、中古品として再販売しています。新古品は運搬時の傷やお客さま都合により、出荷されたものの未使用である商品です。これらに加え、正規商品の基準をクリアしていない生活雑貨や衣料品の規格外品の販売も行っています。

古家具の販売

2023年12月より、一部の大型店舗にて、古家具の販売を開始しました。誰かのもとで大切に使われた古い家具を国内外から仕入れ、クリーニング、研磨、接着、矯正、パーツ製作などのメンテナンスを施します。その後、品質を確認したうえで、古家具として無印良品の店舗で販売しています。一度役目を終えた家具を、捨てるのではなく、再び誰かの手に渡るよう丁寧に繕い、再生させます。

再生素材の活用

循環型のものづくりの一環として、ポリプロピレン、ポリエチレン、PET、ポリエステル、紙、ナイロン、ウール、コットンなどの素材に関し、再生素材の使用を促進しています。
無印良品のスキンケアシリーズのボトル容器には再生PET素材を100%使用しています。またPETボトル由来の再生ポリエステルを使用した寝装カバーの開発などにも取り組んでいます。

原材料調達の考え方

単一素材での商品開発

商品の使用後のリサイクルのしやすさを考慮し、単一素材での商品開発にも取り組んでいます。
「再生ポリプロピレン入り 折りたたみコンテナ」は、原料の一部に回収された家電やOA機器などを再資源化した再生ポリプロピレンを10%以上使用したうえで、側面も含め全体を単一素材で設計しています。
「素材に還るフリース」シリーズは、身生地やボタンなどの付属品、縫製糸に至るまでのすべての製品パーツに PET100%原料を使用しています。単一素材で設計されているため、リサイクルに際しての分解作業や分離工程が不要となり、商品使用後の再資源化が容易になります。身生地にはペットボトルを主原料としたリサイクルPETを100%使用することで、 原料段階における環境負荷を低減しています。

※無印良品の商品に限りません。

再生ポリプロピレン入り 折りたたみ コンテナ

素材に還るフリース

パッケージ素材や陳列備品、什器の見直し

地球資源の循環化および廃棄物削減を目指して、商品パッケージや売場陳列用資材の素材を順次見直しています。
例えば、プラスチック製が一般的な靴下やストールの陳列用フック・ハンガーを、2019年春夏商品から再生紙を使用したものに変更しました。2022年秋冬の商品からは紳士・婦人肌着の陳列用ハンガーを紙製に変更しました。また紙フック・ハンガーの回収およびリサイクルも実施しています。店頭で回収した紙フック・ハンガーは、取引先工場で溶解して紙に再生したのち、一部は無印良品の陳列資材として再利用、または他社の古紙製品に活用しています。この取り組みにより、これまで家庭ごみとなっていた資源の循環を推進しています。
また、下着やエッセンシャルオイルなどパッケージを必要とする商品は、プラスチック原料を中心としたパッケージから、無くす、もしくは再生紙などの代替素材へと可能なかぎり変更を進めています。
加えて、プラスチック製が一般的なタグ付け用ループを、2021年秋冬商品から再生紙を含むFSC紙を使用した紙製タグピンに順次変更しています。強度を保つために、紙に撚り(より)をかけ、タグ付け用ループとして使用できる仕様にしています。

※ FSC(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)による国際認証制度

紙製の陳列資材

紙製のパッケージ 

売場什器の見直し

再生材を使用したマネキン

無印良品の店舗で使用される売場什器についても見直しを行っています。
2024年6月からは、再生ポリエチレンを100%使用したマネキンの導入を新店舗より開始しました。再生材を使用することで、原料製造における環境への負荷を低減することができます。また、納品時の梱包仕様を見直し、マネキンの隙間を埋めるクッション材には、プラスチック製の発泡板や気泡袋ではなく、ダンボールを使用しています。

このほかの什器備品においても、梱包形状をひとつずつ点検し、過剰な梱包材の廃止や、バージンプラスチックから再生紙や再生ダンボールへの梱包材の変更を進めるなど、梱包仕様の見直しに取り組んでいます。2023年秋より取り組みを強化し、年間約6トンのバージンプラスチック使用量の削減を見込んでいます。

※ 什器備品1梱包あたりのバージンプラスチック削減量に生産数を掛け合わせて、2024年8月期の年間削減量を推計しました。

資源循環 | 株式会社良品計画