環境への配慮
良品計画グループは、植物や動物由来の原材料を活用した商品開発を行っています。 2025年8月期に企画した衣服・雑貨の製品に使用する繊維原材料の調達量は37,958tでした。
良品計画グループのテキスタイル・皮革製品は、植物や動物などの天然資源に大きく依存しています。
2025年8月期に企画した衣服・雑貨の製品に使用する繊維原材料の調達量は37,958tでした(※1)。カテゴリー別の調達割合は、植物由来の繊維が69%、動物由来の繊維が3%、再生セルロース繊維が3%、合成繊維が25%となっており、植物・動物由来原材料が全体の約75%を占めています。
※1 ジュートやカシミヤなど一部の植物・動物由来原材料は未集計。
衣料品の繊維原材料別 調達割合
| 構成比 | 原材料 | 構成比 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 植物・動物由来原材料 | 75% | 植物由来の繊維 | 69% | コットン | 64.7% |
| リネン | 2.5% | ||||
| ヘンプ | 1.4% | ||||
| カポック | 0.4% | ||||
| 動物由来の繊維 | 3% | ウール | 3.4% | ||
| シルク | 0.04% | ||||
| 再生セルロース繊維 | 3% | リヨセル | 2.4% | ||
| レーヨン | 0.4% | ||||
| キュプラ | 0.03% | ||||
| 技術的原材料 | 25% | 合成繊維 | 25% | ポリエステル | 20.5% |
| ナイロン | 2.7% | ||||
| その他 | 1.4% | ||||
<衣料品の原材料調達量および割合に関する注釈>
※1 本データは、株式会社良品計画が2025年8月期に企画した無印良品の衣料品を対象としています。
※2 原材料には製品の表地素材を含みますが、中綿、裏地、または装飾部分に使用される素材は含まれません。
※3 ジュートやカシミヤなど、一部の植物・動物由来原材料は集計できていないため、本データに含まれていません。
※4 原材料の重量は、Textile Exchangeの「Fibre Uptake Calculations & Reporting Best Practices Guide」および「Fibre Conversion Methodology」に基づき、各商品の数量、製造時に使用する素材の重量(生産過程で発生した廃棄物を含む)、素材構成比率、繊維への換算係数(Fabric-to-fibre)を用いて算出しています。
※5 数値は四捨五入のため、合計が100%にならない場合があります。
このように、当社グループの製品は植物や動物由来の原材料への依存度が高く、これをいかに持続可能なものとするかは、当社にとって重要な課題であると認識しています。
一方で、合成繊維も全体の約4分の1を占めており、環境負荷の観点からも重要な課題と捉えています。合成繊維の多くは石油由来であり、資源の枯渇や廃棄時のマイクロプラスチック問題など、さまざまな環境リスクが指摘されています。
そのため、良品計画グループでは、地球環境や動物福祉、生産者や地域社会への影響に配慮した「環境配慮型素材」の選択を積極的に進めています。2030年8月期までに、調達する主要原材料を100%「環境配慮型素材」とすることを目標としています。
「環境配慮型素材」とは、当社グループの人権・環境・動物福祉に関する方針に準拠し、評価・認定した原材料です。主要原材料の定義や基準は「良品計画グループ テキスタイル製品の原材料調達ガイドライン」をご参照ください。また、主要な原材料のコットン、ウール、ダウンの「環境配慮型素材」の調達割合は、ESGデータブックから確認できます。

良品計画グループは1999年からオーガニックコットンの使用を開始しました。2023年からは「社会や環境に配慮された綿を100%調達する」ことを目標に掲げ、オーガニックコットンに限らず、選択肢を増やす事で安定した原料調達に努めています。
良品計画グループが社会や環境に配慮された綿として評価したものは、オーガニックコットン※1を中心に、持続可能に栽培されたコットン※2、再生コットン※3等です。
コットンは、農業に適さない乾燥地帯や砂漠気候でも栽培できる数少ない植物です。このうち各国の有機農法の基準に沿って栽培され、環境や生物に大きく影響を及ぼす可能性のある農薬を使用せず、農薬の残留成分が減少するとされる一定期間を経た土壌で栽培された綿が、オーガニックコットンと呼ばれています。
再生コットンは、衣料品の製造工程において生地を裁断する際に発生した端切れやB級品など、通常は捨てられてしまうものを廃棄せずに仕分け、粉砕してワタ状に戻し、未使用の綿と混ぜて再生した素材です。素朴な風合いが特徴です。
※1 Regenerative Organic Certified (ROC)、/Global Organic Textile Standard (GOTS)、 /Organic Content Standard (OCS) または同等の認証を取得した綿
※2 零細農家の生活・労働環境の改善、産地の自然環境の保全を目的としたCotton made in Africa (CmiA) または同等の認証を取得した綿
※3 Global Recycled Standard (GRS)、Recycled Claim Standard (RCS) または同等の認証を取得した綿

カポックは、カポックの木の実からつくった植物繊維です。ポリエステルなどの石油由来の合成繊維がまだ無かった時代に、枕やぬいぐるみなどの詰め物や救命胴衣の中材などに利用されました。主な産地はインドネシアやタイ、インドです。農薬や肥料、水やりがほとんど不要で、樹齢70年以上もの大木に育ちながら、多くのCO2を吸収し続けます。木の実の収穫の際に幹を伐採する必要がないので、環境負荷が非常に少ない素材として注目されています。
カポックの特徴は、その軽さと自然が産み出した機能にあります。カポックの繊維の中心は空洞で多くの空気を含むため、その重量はコットンの1/8ほどで、世界で最も軽い天然繊維と言われています。また寒いときには湿気を吸い、保温を助け、暑いときには湿気を放出し、快適な状態を保つことができます。
近年の技術開発によって紡績が可能となりました。カポックを活用した商品開発を推進することで、未利用資源の活用を通じた産地の経済発展にも寄与していきます。

リネンは、少ない農薬や肥料、水で栽培できる環境負荷の少ない植物です。繊維に加え、亜麻仁油などに使われる種、建材や農業資材に使う茎や根に至るまで、余すところなく有効に活用することができます。また、リネンには、短期間で急速に成長してCO2を効率よく吸収するという特長もあります。

ヘンプは、世界最古の栽培作物と言われており、日本でも衣類や神社の鈴縄、下駄の鼻緒などに使われてきた植物繊維です。種は、最も消化しやすいたんぱく質と言われ、食料や化粧品のオイルなどに使われ、茎の芯部分は建材や自動車の内装材などに使われています。
また、ヘンプは百日草と呼ばれるほど生長が早く、3か月で約3mまで成長し、CO2を効率よく吸収します。病害虫にも強く農薬をほとんど必要としないため、少ない肥料や水で栽培できる環境負荷が少ない植物です。
通気性と吸放湿性にすぐれ、丈夫で速く乾きます。また、天然の抗菌性や紫外線遮断効果などの機能も期待されています。清涼感があり、着るほどに肌になじみます。

ジュートは、黄麻(コウマ)と呼ばれる植物です。耐久性の高い特徴を生かして、古くから穀物袋やラグなどに利用されてきました。
熱帯、亜熱帯地方の高温多湿で農業に不向きな湿地で主に栽培され、他の種類の麻と同様に、成長速度が非常に速く、CO2を効率よく吸収します。病害虫にも強く農薬をほとんど必要としないため、少ない肥料や水で栽培できる環境負荷が少ない植物です。

ラミーは、苧麻(チョマ)と呼ばれる多年草の植物で、成長が早いため年に数回の収穫が可能です。茎の皮を原料とした繊維は、一般的に製造工程時に強い酸やアルカリを溶媒として使用します。
良品計画グループは、製造工程時に使用する溶媒を可能な限り削減し、さらに製造工場が所在する現地の環境法令に準拠した排水管理を行うサプライヤーからの調達を目指しています。

良品計画グループは、「資源を無駄にしない」という精神が素材の選択において脈々と受け継がれています。2000年には、工場で使われずに廃棄される糸を利用した残糸ソックスを製品化し、販売を開始しました。
取引先工場の生産工程で出てしまった残糸や残布を積極的に活用することで、サプライチェーン上の廃棄物削減に取り組んでいます。

良品計画グループは、飼育環境における動物の「5つの自由※1」が確保され、かつ強制的な給餌や生きている状態から採取されていないことが第三者機関により厳しく審査、証明された羽毛※2のみを調達しており、これを継続することを目標としています。
加えて、再生ダウンの活用も進めており、2030年度までにすべての再生ダウンは、GRS, RCSのいずれかまたは同等の認証を取得したものを調達することを目標としています。
※1 動物福祉における5つの自由:①飢え、渇き及び栄養不良からの自由、②恐怖及び苦悩からの自由、③物理的及び熱の不快からの自由、④苦痛、傷害及び疾病からの自由、⑤ 通常の行動様式を発現する自由(出典:農林水産省「アニマルウェルフェアに配慮した家畜の飼養管理」)
※2 Responsible Down Standard(RDS)または同等の認証を取得したダウン

良品計画グループは、動物福祉に配慮した牧場で生産されたウール、および再生ウールを調達しています。
羊の飼育方法は地域ごとに様々ありますが、ノンミュールジングで育てられた羊の毛だけを調達しています(再生ウールを除く)。ノンミュールジングウールとは、ミュールジングを施されていない羊から得られるウールのことです。ミュールジングとは、蛆虫の寄生を防ぐために羊の皮膚や肉を切除する特殊な技術で、特に暑い気候で飼育される羊に対して一般的に行われます。ウールの調達時に、ミュールジングを行っていない牧場のウールであることを確認し、素材を選択しています。
再生ウールは、廃棄・回収されたウール製品を粉砕し、再び紡績した素材で、廃棄物管理や資源循環の観点から重要な素材です。再生ウールの特徴には、複数の色が混ざり合うことで生まれる深みのある色合いや、素朴な風合いがあります。2030年度までにすべての再生ウールは、GRS, RCSのいずれかまたは同等の認証を取得したものを調達することを目標としています。

アンデスウールは、寒暖差が激しく乾燥した厳しい自然環境のもとで育った羊の毛で、太くてバルキーなふくらみが特長です。標高3,800mを超えるアンデス山脈の高地ではハエが生息せず、羊の臀部を切除するミュールジングを施す必要がありません。
しかしながら、産地のひとつであるペルーでは、近年、メリノウールを輸入して使うことが多くなり、アンデスウールの使用量が減少してあまり使われなくなっています。
良品計画は、アンデスウールをニット製品の一部に活用することで、生産地の産業にも寄与することを目指しています。

カシミヤは、カシミヤ山羊の冬毛(うぶ毛)が原材料です。カシミヤ山羊は、冬はマイナス30度にもなる高原で育ち、極寒の冬から身を守るために外毛の内側に冬毛を生やします。自然に抜け始める夏前に、梳きとった冬毛を調達しています。
カシミヤの主な産地のモンゴル高原では、カシミヤ山羊の過放牧による砂漠化が課題になっています。良品計画グループは、動物福祉と放牧地の適切な管理等を規定したサプライヤー向けの調達方針を策定し、この方針に賛同いただいたサプライヤーから調達しています。また、自社従業員が定期的にサプライヤーおよび牧場への訪問を行い、遵守状況に関する確認や会話を行っています。加えて、再生カシミヤの活用も進めており、2030年度までにすべての再生カシミヤは、GRS, RCSのいずれかまたは同等の認証を取得したものを調達することを目標としています。

ヤクは、ウシ科のヤクの冬毛(うぶ毛)が原材料です。ヤクは、冬はマイナス20度にもなる標高3800mのチベット高原(青蔵高原)で育つ動物です。極寒の冬から身を守るため、外毛の内側に暖かく保温性のある冬毛(うぶ毛)を生やします。自然に抜け始める夏前に、梳きとった冬毛を調達しています。
良品計画グループは、動物福祉と労働環境の適切な管理等を規定したサプライヤー向けの調達方針を策定し、この方針に賛同いただいたサプライヤーから調達しています。また、自社従業員が定期的にサプライヤーおよび牧場への訪問行い、遵守状況に関する確認や会話を行っています。

良品計画グループは、製品に使用されるすべてのレザーは、食肉用に飼育された家畜由来のレザーのみを調達しています。さらに製品に使用されるすべてのレザーは、2030年度までに環境に配慮した生産を行っているサプライヤーから調達することを目指しています。環境に配慮した生産を行っているサプライヤーとは、レザーの生産工程における化学物質管理や排水処理、エネルギー使用などの環境対策を適切に行っていることを第三者によって認証※されたサプライヤーを指します。
人工皮革・合成皮革については、耐久性、再生素材や植物由来の原料比率、禁止薬物など自己評価基準を定め、持続可能な合成皮革の利用に向けた取り組みを推進します。
※ Leather Working Group (LWG) 認証のSilverランク以上の基準または同等の認証

シルクは、カイコ(蚕)の繭からとった動物由来繊維です。人の髪や肌を作る主要なアミノ酸を含むため、肌への親和性が高く、綿や麻などの植物由来繊維にはない性質を持っています。
良品計画グループは、「良品計画グループ 動物福祉審」に準拠し、繊維を採取することを目的として、カイコの命を奪うことのないシルクの調達を目指しています。

リヨセルは、木材を主原料とする再生セルロース繊維です。良品計画グループは、製品に使用するすべてのリヨセルについて、森林破壊や森林の劣化が発生していないことが証明された木材を原料とし、製造工程において化学物質や排水の適切な管理など、環境負荷の低減に取り組むサプライヤーから調達することを継続的な目標としています。

レーヨンは、木材を主原料とした再生セルロース繊維です。良品計画グループは、製品に使用するすべてのレーヨンについて、2030年度までに、森林破壊や森林の劣化が発生していないことが証明された木材を原料とし、製造工程において化学物質や排水の適切な管理を通じて環境負荷の低減に取り組むサプライヤーから調達することを目標としています。

紙糸は、紙を細く切り、撚って作った糸のことです。通気性に優れ、丈夫で軽く、麻のような清涼感があるのが特徴です。紙糸の歴史は古く、日本では奈良時代にすでに存在し、抄繊糸(しょうせんし)と呼ばれていました。
紙糸の原材料はパルプで、植物繊維を加工したものです。紙糸に使用するパルプは、木材パルプ(主に針葉樹)と非木材パルプ(マニラ麻、ヘンプ、竹、サトウキビのバガス)などがあります。
良品計画グループは、「良品計画グループ 環境方針」に準拠し、森林破壊や森林の劣化が発生していないことが証明された木材を原料とする紙糸の調達を2030年度までに実現することを目標としています。加えて、非木材パルプから作られた紙糸の調達を目指しています。

良品計画グループは、将来的に製品に使用するすべての合成繊維について、その原料を再生原料または植物由来原料のものに置き換えることを目指しています。この目指す姿に向けて、2030年度までに、合成繊維を使用するすべての製品において、再生原料または植物由来原料を活用した素材を採用することを目標としています。
再生原料とは、特定認証※を確認した再生ポリエステル、再生ナイロンなどを指し、新たな化石由来原料の使用を抑えることで、環境負荷の低減に寄与します。再生ポリエステルは主にペットボトル由来の材料を、再生ナイロンはプレコンシューマーリサイクル(糸生産工程で出た廃棄繊維)の材料などをを使用しています。
また、合成繊維における植物由来原料の拡大や、生分解性素材の開発などを進めています。
※ Global Recycled Standard (GRS)、, Recycled Claim Standard (RCS)または同等の認証
良品計画グループでは、バージンプラスチックの使用を削減し資源循環を推進するため、販売したプラスチック製品の回収に積極的に取り組み、2030年までには100%再利用することを目指しています。

良品計画では、バージンプラスチックの削減とリサイクル素材の活用を進めています。
再生素材入り商品ラインナップを拡大していく方針で、自社回収品を再資源化した原料を使用した商品開発も行っています。
また、無印良品の各店舗で、ポリプロピレン・ポリエチレン製の収納用品やダストボックスなど、幅広くプラスチック製品を回収しています。回収したプラスチック製品は、基準をクリアしたものは中古品として再販売し、基準に満たないものは粉砕・洗浄した後、再生原料に戻します。
良品計画グループは、「良品計画グループ 原材料調達の基本方針」で定める行動指針に従い、持続可能な責任ある木材・紙の調達を行うため、サプライチェーンに生産段階における人権および環境リスクの影響を特定・評価し、リスクを防止・軽減するためのデュー・ディリジェンス・プロセスを構築します。

2030年までに森林に関する認証材(FSC ※1 、PEFC ※2 、SGEC ※3 )や、各国・地域の環境法令遵守により森林減少につながる違法伐採等が行われていないことが確認できる木材・紙原料の活用100%を目標に掲げています。その実現に向けて、各国・地域の環境法令に沿って合法的伐採について調査、ならびに自己評価(木材デュー・ディリジェンス)を実施し、違法伐採などによる森林減少に関わる木材を使用しないよう努めています。
良品計画では、木製品・紙製品 ※ に対し、クリーンウッド法をはじめ、店舗展開する各国・地域の環境法令に沿って、合法的伐採について調査、並びに自己評価(木材デューデリジェンス)を実施しています。各種証明書コピー(FSC・PEFC・公的機関発行書類など)や購買・輸送履歴確認書類のコピーを収集し、違法伐採にかかわる木材を使用しないよう努めています。
※1 FSC: Forest Stewardship Council
※2 PEFC: Programme for the Endorsement of Forest Certification
※3 SGEC: Sustainable Green Ecosystem Council:持続可能な森林経営を推進するための日本型森林認証制度

日本は国土面積の67%を森林が占める、世界第3位の森林大国です。しかしながら、木材全体の消費量に占める国産材の割合は30%ほどにすぎません。また、管理が行き届かない森林の荒廃も社会問題になっています。このような日本の森林の環境保全や林業の活性化に向け、良品計画は、国産木材を使用したオフィス用品を展開する株式会社内田洋行と共同で、国産杉を使用したオフィス家具を開発し、より快適で、「感じ良い」オフィスづくりを提案しています。
杉材は基本的に建材として使用され、その余り材は主に割り箸や燃料として使用されています。
余り材を家具として使用可能なパネル状に加工する技術を開発した宮崎県の生産者との取り組みにより、当社のオフィス家具はこの余り材を家具のラインに取り入れています。
手に触れる天板や棚板に杉を使い、構造部にスチールを用いることで強度も担保しています。木をまるごと有効に使うことで、国産杉の使用用途を拡大しました。

無印良品の店舗の内装・外装における地域木材の活用に取り組んでいます。もともと木材は、無印良品の店舗の基本を構成する「木・金・土」の天然素材のひとつです。店舗の什器である棚板や壁材、柱などに、木材をはじめとする天然素材を使用することで、長年にわたり味わいのある経年変化を楽しめる店舗空間をつくっています。特に各地域で育った特色ある木材を活用することで、訪れた人が地域の自然資源に思いを馳せるきっかけづくりに取り組んでいます。また店舗から近い製材・加工工場から直接調達し、各地域内で原木調達から製品加工、そして店舗への供給までを行うことで、地域の木材産業へも貢献していきます。また2024年9月からは、店舗什器への認証材(FSC、PEFC、SGEC)の使用を開始し、責任ある木材の調達を強化しています。

原産地のトレーサビリティを確保するため、使用状況の調査を定期的に実施します。原産地証明などを確認し、持続可能なパーム油の利用に向けた取り組みを推進します。具体的には、化粧品や日用品、食品の領域で使用されているパーム油の量や認証の有無、認証パーム油への切り替え可否の確認を実施しました。
また2023年12月より「JaSPON(持続可能なパーム油ネットワーク)」の会員となり、情報収集を行い、将来的な認証付きパーム油の調達に向けて動きを進めています。

コーヒーはパーム油とともに、商業生産の拡大による森林減少リスクが高いコモディティの一つとして、EU では、森林減少を伴わずに生産されたことを証明することが義務づけられています。良品計画では2024年3月に、オリジナルブレンドコーヒーのシリーズを全面リニューアルし、レインフォレスト・アライアンス認証を取得しているブラジルのダテーラ農園とともに開発した、輸出規格外のサイズの豆を一部使用した商品の発売を開始しました。ダテーラ農園は農園の半分を自然保護区域として、自然林や植林地、水源確保のための土地として活用している、ブラジルのコーヒー農園で最初にレインフォレスト・アライアンス認証を取得した農園です。コーヒーの製造工程で使用する水についても、一部をろ過、再利用を行ったり、農園内にソーラーパネルを設置し、コーヒー製造の際のエネルギーとして供給しています。