総評:営業収益・各段階利益はともに過去最高。営業利益は初の1,000億円超。

- 営業収益は、国内外の店舗数の増加に加え、海外事業の売上が大幅に伸長したことで、前期比17.7%増の9,235億円。
- 営業総利益率は、生産の内製化による原価低減と値下げの抑制により、前期比1.4ポイント改善の52.8%。
- 販管費率は、販管費の増加を上回る売上の伸長により、前期比0.3ポイント改善の41.6%。
- 営業利益は前期比40.1%増の1,034億円となり、初めて1,000億円を突破。営業利益率は前期比1.8ポイント改善の11.2%。
- 親会社株主に帰属する当期純利益は、為替差益や政策保有株式の売却益等の一過性要因も加わり、前期比50.3%増の764億円。
セグメント別実績
国内事業:増収に加え営業総利益率の改善により、営業利益は2割増益。
- 営業収益5,109億円(前年同期比8.7%増)、営業利益633億円(同21.6%増)と増収増益。
- 営業収益は、出店効果と「無印良品週間」や「良いね祭」、「GOOD POINT WEEK」などの季節プロモーション効果も加わり、増収。
- 通期の既存店+EC売上前年比は102.4%。EC売上は上期のシステム障害による影響を受け前年割れしたものの、店舗売上が伸長し、全体では前年を上回った。衣服・雑貨、生活雑貨、食品いずれも前年を超過。
- 営業利益は増益。営業総利益率が改善し、営業利益率は前期比1.3ポイント改善の12.4%。
東アジア事業:生活雑貨と食品が売上を牽引し、3割超の増収。営業利益率は21.0%に改善。
- 営業収益2,938億円(前年同期比32.2%増)、営業利益616億円(同44.2%増)と増収増益。
- 東アジア事業の営業収益は増収。既存店+EC売上前年比は生活雑貨と食品が牽引し、115.6%。
- 営業利益は増益。営業総利益率が向上したことに加え、売上伸長に伴い販管費率も低下し、営業利益率は21.0%に向上。
- 中国大陸事業は、既存店+EC売上前年比は116.3%。現地MDを中心とした生活雑貨や食品が好調に推移したことに加え、マーケティングや店舗の小規模改装も寄与し、増収増益。
- 台湾事業は、現地MDの強化をはじめ品揃えを拡充したヘルス&ビューティーや食品が好調。値下げ抑制も寄与し、増収増益。
- 香港事業は、生活雑貨や食品が好調に推移。加えて、倉庫移管による物流構造改善を主因に販管費率が大幅に改善し、増収増益。
- 韓国事業は、マーケティング強化により客数が増加。店舗・ECとも好調に推移し、売上は4割超伸長。販管費効率化も寄与し、増収増益。
東南アジア・オセアニア事業:マネジメント体制強化のもと既存店売上が伸長。出店効果も加わり、大幅な増収増益。
- 営業収益665億円(前年同期比32.8%増)、営業利益91億円(同64.1%増)と増収増益。
- 営業収益は、タイ事業とベトナム事業での旗艦店出店を中心とした店舗網の拡大により、前期比132.8%。
- 既存店+EC売上前年比は108.7%。マネジメント体制強化のもと、売場改善を加速するとともに、販売計画の見直しに注力。
- 営業利益は前期比164.1%。値下げの抑制や一部地域での価格の見直し等により営業総利益率が改善したほか、売上伸長による販管費の効率化も進み、営業利益率が改善。
- 既存店+EC売上は、特にマレーシア事業、ベトナム事業、オーストラリア事業で前年比二桁伸長。
- シンガポール事業は、値下げの抑制と価格の見直しにより既存店+EC売上は前年割れが続くも、収益性は改善。26年8月に既存店+EC売上も前年を上回る。
欧米事業:出店経費が先行する中、欧州事業、北米事業ともに既存店売上が伸長し増収増益。
- 営業収益522億円(前期比24.1%増)、営業利益80億円(同17.0%増)と増収増益。
- 営業収益は、既存店+EC売上の伸長に加え、北米事業での出店再開も寄与し、増収。既存店+EC売上前年比は111.8%。
- 営業利益は、前期比117.0%と増益。一方、北米事業での出店再開および27/8期に欧州事業で出店予定の旗艦店に係る先行経費により販管費率が悪化し、営業利益率は、前期比0.9ポイント低下の15.5%。
- 欧州事業は、販売計画の精度向上と品揃えの拡充により既存店+EC売上は二桁伸長。旗艦店の出店経費が先行するも増収増益。
- 北米事業は、品揃えの拡充も寄与し生活雑貨と食品が牽引。前期のEC倉庫の移管の反動もありEC売上が大幅に伸長。物流センターの移管や出店再開による経費増のなか増収増益。米国事業での関税還付影響も寄与。
店舗数:1,486店舗(国内事業723店舗、海外事業763店舗)
- 国内事業は、郊外を中心とした収益性の高い店舗の出店を進め、40店舗純増の723店舗。
- 海外事業は、東アジア事業および東南アジア・オセアニア事業を中心に出店を進め、34店舗純増の763店舗。
- 東アジア事業は、中国大陸事業・台湾事業・韓国事業での出店により22店舗純増の579店舗。
- 中国大陸事業では、スクラップ&ビルドを継続しながら出店を進め、11店舗純増の433店舗。
- 東南アジア・オセアニア事業は、フィリピン事業・ベトナム事業・マレーシア事業等で出店を進め、11店舗純増の135店舗。
- 欧米事業は、北米事業で出店を再開し、1店舗純増の49店舗。
27/8期通期見通し:営業収益は初の1兆円突破。成長投資を進めながら、営業利益は二桁増益を見込む。

- 国内外の既存店売上の伸長と新規出店により、営業収益は1兆円突破を見込む。
- 円安進行による為替予約レートの悪化や原材料高の影響が続く中、生産内製化による原価低減と海外事業の構成比上昇により、営業総利益率は前期比改善を見込む。
- 海外事業の先行費用が増加する一方、国内事業の効率化を進め、販管費率は前期並みとなる見通し。結果、営業利益率は、11.2%を見込む。
- 親会社株主に帰属する当期純利益は、26/8期に計上した一過性利益の反動により微減も、一過性要因を除く比較では増益を計画。
- 既存店+EC売上前年比の計画は、国内事業104%、東アジア事業107%(うち中国大陸106%)、東南アジア・オセアニア事業110%、欧米事業106%。
- 27年8月末店舗数は、国内760店舗、海外824店舗の計1,584店舗を計画。国内事業は郊外の大型店に加え、都市に小型店も出店。海外事業は欧州でも出店を再開し、全地域で出店。
株主還元―配当:26/8期は前期比13円増配の年間38円を予定。前回予想比6円引き上げ。
- 26/8期の年間1株当たり配当金は、38円(中間16円、期末22円)となり、前期比13円の増配を予定。
- 27/8期の年間1株当たり配当金は、前期同額の38円(中間・期末ともに19円)を予定。
- 引き続き、成長投資を軸にキャッシュを創出し、配当性向30%を目安にしながら安定的な配当を実施。
3ヶ年ローリング計画をアップデート:29/8期に営業収益約1.3兆円、営業利益1,500億円超、営業利益率12%を目指す。

(事業戦略)
チューニングから地に足をつけたチャレンジへ。世界で成長するための投資へ転換
1.欧米事業を中心に、出店拡大や海外の事業基盤強化に向けた先行投資を加速。国内事業・アジア事業は引き続き安定した収益・利益を確保。インド事業・中東事業を利益創出基盤にすべく、リソースを再投入開始。
2.世界戦略チームを逐次強化し、世界同時成長を可能にする地球儀視点を推進。
3.生産性改善の取り組みを顕在化させ、利益率の改善を継続する。
4.成長への実質貢献×難易度から、次期中期に向け、現状に加え優先するべき経営課題は、①欧米事業拡大 ②生産性の改善 ③人財育成・活用
- 26/8期実績を基準に、営業収益は年平均12.0%、営業利益は同14.7%の成長を計画。
- 28/8期までは欧米事業での先行投資や円安による為替予約レートの悪化影響を織り込み、営業利益率は11%台で推移。29/8期には欧米事業の収益貢献および海外売上構成比の過半化により、営業利益率の改善を見込む。
- 国内事業は、生産性向上により安定成長と収益性改善を図る。海外事業は出店拡大により成長を加速。特に欧米事業に注力し、店舗数の増加に加え、1店舗当たりの売上拡大を見込む。
- 既存店+EC売上前年比は、3ヶ年平均で国内事業は102%、海外事業は105%(うち中国大陸事業105%)を前提とする。
- 29/8期末の店舗数は1,850店舗。年平均純増数は、国内事業45店舗、海外事業75店舗(うち中国大陸事業30店舗)を見込む。
- ROEは、27/8期は前期の一過性利益の反動で低下するものの、利益成長により、29/8期にかけて改善を見込む。
8つの成長ドライバー:29/8期に向けてアップデート
