株式会社良品計画

2026年8月期 上期

決算サマリ

総評:営業収益、各段階利益ともに過去最高。営業総利益率が改善し、営業利益率は10%超。

  • 営業収益は、国内外の店舗数の増加に加え、海外事業の既存店売上が大幅に伸長したことで、前年同期比14.8%増の4,385億円。
  • 営業総利益率は、生産の内製化による原価低減効果や値下げ率の改善により、1.3ポイント改善し52.4%。
  • 販管費率は、人件費の増加および国内のEC販売停止の影響等により、0.5ポイント悪化し42.1%。
  • 営業利益は、前年同期比24.8%増の450億円。営業利益率は、前年同期比0.8ポイント改善し10.3%。
  • 親会社株主に帰属する中間純利益は、政策保有株式の売却益や為替差益の計上等により、前年同期比34.5%増の342億円。

セグメント別実績

国内事業:季節プロモーションの効果により、ECの販売停止影響をカバーし、増収増益。

  • 営業収益2,443億円(前年同期比8.1%増)、営業利益274億円(同14.2%増)と増収増益。
  • 営業収益は、「無印良品週間」や「良いね祭」などのプロモーション効果により、ECの一時的な販売停止影響をカバーし、増収。上期の既存店+EC売上前年比は100.0%。(既存店売上前年比約104%、EC売上前年比約60%)
  • 販管費率が悪化するも、営業総利益率が改善したことで、営業利益率は前年同期比0.6ポイント改善の11.3%。

東アジア事業:季節プロモーションに加え、生活雑貨の売上が伸長し、増収増益。

  • 営業収益1,360億円(前年同期比23.3%増)、営業利益275億円(同29.0%増)と増収増益。
  • 営業収益は、季節プロモーションの実施および既存店売上の好調により、増収。上期の既存店+EC売上前年比は113.2%。
  • 値下げの抑制や商品ミックスによる営業総利益率の向上加え、売上伸長に伴う販管費率の低下により、営業利益率は0.9ポイント改善し、20.3%。
  • 中国大陸事業は、W11や春節商戦の売上が好調に推移したほか、現地MDによる生活雑貨および食品の売上が伸長し、増収増益。上期の既存店+EC売上前年比は113.2%。
  • 台湾事業は、春節商戦の効果に加え、ヘルス&ビューティーの売上が伸長し、増収増益。
  • 香港事業は、春節商戦の効果に加え、ヘルス&ビューティーやハウスウェアなどの生活雑貨が売上を牽引し、増収増益。
  • 韓国事業は、マーケティング強化による客数の増加で、⾐服・雑貨、⽣活雑貨、食品のいずれも大幅に売上が伸長し、増収増益。

東南アジア・オセアニア事業:マネジメント体制強化に伴い既存店売上が伸長。出店効果もあり、大幅な増収増益。

  • 営業収益331億円(前年同期比35.4%増)、営業利益48億円(同47.0%増)と大幅な増収増益。
  • マネジメント体制強化のもと、売場改善を加速するとともに、販売計画の見直しに注力し、既存店+EC売上は前年比108.7%。出店効果も寄与し、営業収益は大幅増収。
  • 営業利益も47%増と大幅増益。売上伸長に伴う販管費率の改善により、営業利益率は14.7%に改善。
  • タイ事業は、衣服・雑貨や食品が好調に推移し、既存店+EC売上は二桁伸長。11月開業の旗艦店も売上に貢献。
  • マレーシア事業は、衣服・雑貨に加え、ヘルス&ビューティー商品の売上も好調に推移し、既存店+EC売上は二桁伸長。
  • シンガポール事業は、値下げの抑制や価格の見直しにより、既存店+EC売上は前年割れも、収益性は着実に改善。
  • ベトナム事業は、売れ筋商品の在庫確保や旗艦店を軸としたマーケティング強化により、既存店+EC売上は二桁伸長。11月開業の旗艦店、前期に立ち上げた自社ECも好調に推移。

欧米事業:欧州事業、北米事業ともに既存店売上が伸長し、増収増益。

  • 営業収益250億円(前期比17.9%増)、営業利益39億円(同9.7%増)と大幅な増収増益。
  • 営業収益は、欧州の既存店売上が牽引し、二桁を超える増収。既存店+EC売上前年比は110.4%。
  • 営業利益は約10%増。営業利益率は、現地会計ベースにおいて値下げ抑制等により改善したものの、為替の押し上げ影響が縮小し、調整後のセグメント利益率は1.2ポイント低下の15.9%。
  • 欧州事業は、増収増益。衣服・雑貨の定番商品の在庫拡充や、生活雑貨の取扱商品の拡充により上期の既存店+EC売上は二桁伸長。また、前期に欧州でECプラットフォームを統合したことで、EC売上が大幅に伸長。
  • 北米事業は、現地会計ベースでは増収増益も、為替の押し上げ影響が縮小し減益。大寒波の影響を受けながらも売上は堅調に推移。物流センターの移管や出店再開により、販管費率は悪化。

店舗数:1,460店舗(国内700店舗、海外760店舗)

  • 国内事業では、郊外を中心に収益性の高い店舗の出店を進め、17店舗増の700店舗。
  • 海外事業は31店舗増の760店舗。
  • 東アジア事業は、23店舗増の580店舗。中国大陸事業、韓国事業、台湾事業にて出店。
  • 中国大陸事業では、スクラップ&ビルドを推進し、15店舗増の437店舗。成都の旗艦店を改装オープン(800坪級)。
  • 東南アジア・オセアニア事業は、7店舗増の131店舗。タイ事業、ベトナム事業での旗艦店出店のほか、マレーシア事業、フィリピン事業でも出店。
  • 欧米事業は、北米事業で出店を再開し、1店舗増の49店舗。

26/8期通期見通し:上方修正、増配。営業利益、営業利益率は3ヶ年ローリング計画の前倒し達成を見込む。

  • 営業収益は期初計画から270億円上方修正し8,870億円(前期比13.0%増)、営業利益は期初計画から100億円上方修正し890億円(同20.5%)、営業利益率は10.0%を見込む。
  • 通期見通しは、上期実績の進捗を反映するとともに、下期の為替前提等を見直し、上方修正。
  • 営業収益は、海外事業を中心に引き上げ。
  • 営業利益は、3ヶ年ローリング計画における27/8期予想に相当。
  • 営業利益率は、営業総利益率の改善を軸に10%を見込む。
  • 親会社株主に帰属する当期純利益は620億円、ROEは17.1%を見込む。
  • 下期の営業収益、営業利益は二桁の増収増益を見込む。現時点では、中東情勢に関する業績影響は限定的と見るも、今後の動向を注視。
  • 年間1株当たり配当金は、従来予想の28円より4円増額し、32円を予定。前期に比べ7円の増配。

世界での成長に向けた8つの成長ドライバーの進捗

  • 出店拡大:27/8期にパリ旗艦店を出店。北米事業でも中大型店4店舗の出店決定。韓国事業でも出店加速。
  • 商品開発体制の強化:ヘルス&ビューティーを始め商品の拡充を推進。海外事業における生活雑貨の充足率は、2026年春夏に70%となり、2026年秋冬には80%完遂の見込み。世界で現地ニーズを取り入れ、H&B、食品を中心に新たな現地MDの開発開始。
  • OMO強化:世界でチャネル戦略の見直しを実行し、オンライン販売強化。海外成長余地大。チャネル拡大に合わせ物流、在庫の適正化(一元化)を推進。
  • 日本のオペレーションの波及:世界の無印良品で先行する優良な取り組みを相互波及。販売オペレーションのみならず、商品、マーケティング、IT、VMDなど広範囲で相互共有。
  • 生産性改善/SCM改革:生産性向上委員会のもと、主に本部業務にフォーカスを置き取り組みを開始。2年ごとにPDCAサイクル想定し、短期的でない再現性のある改善を実行。今サイクルの重点テーマはIT投資、人時生産性、商品原価、一般費。最終的な効果は都度3ヶ年ローリング計画に反映し、早期の営業利益12%以上を目指す。
  • 本業としてのESG:無印良品のコンセプトの明文化と、世界でのブランディング活動の開始。公益人本主義に則ったソーシャルグッド事業部の活動を強化。循環推進部等によるReMUJI活動など高い収益性を確保できる取り組みを拡大。