原材料調達の考え方

1月23日に良品計画の有志団体「Team ESG」が主催する社内イベント“生産者トーク&チョコレート試食イベント~「ライム発酵チョコレート」に込められたESGの現場を知る”を、本社で開催しました。2025年1月に発売した「ライム発酵チョコレート」を題材に、インドネシアのカカオ生産者や商品の開発に携わるサプライヤーのDari K株式会社(以下Dari K)をお招きして、カカオ生産の現状や課題、持続可能な原材料調達に向けた最新の取り組みを紹介しました。約130名が参加し、講演、試食、そして生産者やDari Kの方々との対話から自分の業務に生かすヒントを得る時間となりました。本記事では、当日の様子を写真とともにご紹介します。
カカオは森林伐採や生態系への影響が指摘される農産物であり、また気候変動や病害虫による収穫量の減少に伴う価格高騰、児童労働や後継者不足などの問題を抱えています。世界的に生物多様性の保全が求められる中、持続可能な調達と生産方法の確立は避けて通れない課題です。そこで、持続可能なカカオ産業の実現に向けて活動する京都のチョコレートメーカーDari Kおよび現地生産者とともに開発した無印良品の商品、「ライム発酵チョコレート」をテーマに取り上げ、サプライヤーの方々と対話するイベントを開催しました。「ライム発酵チョコレート」で使用しているカカオは、生物多様性の保全に寄与するアグロフォレストリー農法※によって、バナナなど他の作物と混植しながら栽培されたものです。 より多くのお客さまに手に取っていただくため、発酵過程でライムを加えることで付加価値を創出し、ライムのアロマが広がる爽やかな酸味と風味をお楽しみいただける商品に仕上げています。
イベントでは、まず企業が向き合うべき社会課題として、カカオを取り巻く現状と課題を取り上げました。続いて、商品の開発担当者が「ライム発酵チョコレート」誕生の背景を紹介し、Dari Kよりチョコレートができるまでの工程や、カカオ豆の生産に関する未来を見据えた取り組みに関する講演が行われました。さらに発酵の有無によるチョコレートの味わいの違いを体験できる試食も行い、チョコレート商品の開発に関する理解が深まる機会となりました。 最後には、インドネシアから来日したカカオ生産者の方との質疑応答を行い、良品計画と協業するメリットや、持続可能な農業を進める上で大切なことなどについて語っていただきました。
※森林を伐採せずに、同じ土地で樹木と農作物を育て、自然の生態系に近い状態で農作をする持続可能な仕組み

図:商品画像
「ライム発酵チョコレート」は無印良品のものづくりにおける3つの視点のひとつである「素材の選択」に立ち返り、原材料そのものに向き合い、生産者にも、お客さまにも、環境にもより良い選択とは何かを考え抜いた結果、誕生しました。開発担当者は商品開発の過程で実際にインドネシアのカカオ農場を訪れ、生産者の方々が土地や気候と真摯に向き合い、日々、工夫と努力を重ねながらカカオづくりに取り組んでいる姿を肌で感じました。またDari K による技術支援が、良質なカカオの生産を大きく支えていることも実感したといいます。こうした現場の取り組みを目にしたことで、良品計画の役割は、生産者やパートナー企業が生み出したカカオの魅力を最大限に引き出し、商品として仕立てること、そしてその商品と背景にあるストーリーを丁寧にお客さまへ届けることであると、担当者はあらためて強く認識したと語りました。

図:訪問の様子

さまざまな写真や映像を通してカカオ生産の現場を紹介したのち、インドネシアのカカオ産業で直面している病害虫対策や後継者不足といった課題にも触れ、未来を見据えた取り組みを紹介しました。
さらに、未発酵・発酵・ライム発酵の3種類のチョコレートを試食し、発酵技術が生み出す香りや味わいの違いを体験しながら、新たな価値がどのように生まれるのかを楽しく学びました。参加者からは「背景を知ることで、味わいに込められた想いがより伝わった」という声も寄せられました。
図:カカオ生産者 イチャルさん
最後の質疑応答では多くの質問が寄せられ、生産者の方々との活発な対話が行われました。お客さまが今回の商品を購入し、味わっていただくことが、カカオ生産者の収益向上につながり、アグロフォレストリーによるサステナブルなカカオ生産を継続的に支える行動になるのだと参加者へ伝えられました。また、Dari K や良品計画との交流を通じて商品を知ることができ、カカオ豆の品質向上にもつながっていること、さらに“ともにものづくりを行うパートナー”の存在を身近に感じられることが日々の励みになっていることも語られました。
「カカオ豆の生産には老木化対策など課題も多いが、課題に一緒に取り組むことで応援の気持ちを強く感じられる。自分一人で取り組んでいるわけではないと思えることで、何があっても大丈夫と思える」との言葉が述べられた際には、会場全体が温かな空気に包まれました。
参加者からは「商品に至るまでの過程や生産者様の想いをお客さまに届けるために、スタッフで話し合いたい」「1つの商品にこんな背景があると知ることができてとても感動した」 といった声が寄せられました。
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