株式会社良品計画

働く仲間の尊重

コオウンド経営とエンゲージメント

はじめに

良品計画は、「社会や人の役に立つ」という根本方針のもと、従業員一人ひとりがオーナーシップを持ち事業活動の主役となり、自律的・自発的に行動し、その活動が公益に寄与することで「感じ良い暮らしと社会」が実現される、「公益人本主義経営」を目指しています。「公益人本主義経営」を実現していくためには、従業員の経営参画意識=オーナーシップの醸成、そして従業員が安心して中長期的なチャレンジができる環境づくりが重要であるとの考えのもと、コオウンド経営を進めています。

従業員持株会制度の仕組み

良品計画グループでは、従業員持株会制度を導入しています。従業員自身が良品計画の株主=オーナーとなることで、事業活動の結果向上した企業価値が従業員一人ひとりに還元され、好循環が生まれることを目指します。退職時に給付される長期型の「株式給付信託(ESOP)」と、株価に応じた3年間単位での分配金が支給される中期型の「信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship)」の2つのインセンティブがあり、いずれもパートナー社員を含む社員が対象です。ESOPにおいては、拠出金の50%相当が従業員向けの持株会奨励ポイントとして給付されます。また、持株会の加入によらず、従業員の高いレベルでの挑戦に対し、退職時に自社株に変換されるESOPポイントが給付される「挑戦期待ポイント」制度もあります。誰もが挑戦することを楽しみ、積極的な行動が賞賛される組織を目指すと同時に、挑戦を通して従業員自身がより多くの人と関わり強い信頼関係を構築していくことを目的としています。立候補および上司推薦に基づき、個人またはチームで半期ごとにチャレンジする内容を全社に宣言したうえで取り組み、進捗の確認とともにポイントが付与される仕組みです。
2024年6月からは、一定の評価結果以上の正社員を対象に、評価結果に連動したESOPポイントの付与も開始しました。社員の成長と成果を一般的なスピードよりも早期に報酬に反映できる明瞭なグレード制度の運用や年収の完全固定化など、中長期での取り組みを支援する仕組みを導入し、従業員が安心してチャレンジでき、会社の成長を分かち合うコオウンド経営を実現できる報酬体系を構築しています。

インナーコミュニケーションの強化

コオウンド経営を進めるためには、従業員が経営に参加し、会社への提言などを行いながら、経営者と一体になっていくことが重要です。そのため、経営情報を積極的に発信し、経営陣と従業員、また従業員同士のコミュニケーションの機会を増やしています。
2024年8月期からは、全国の店舗スタッフと執行役員の対話の場として、「スタッフミーティング」の開催を強化しています。スタッフミーティングとは、国内勤務の全執行役員約20名が全国の無印良品の店舗に赴き、経営陣と店舗スタッフが対話する場を設けるものです。お客さまの声や店舗の声を伝えたい、そしてそれをもとに現状を良く変えていきたいという意思のある従業員であれば誰でも参加可能です。このミーティングでは、経営陣が良品計画の理念や方針を店舗スタッフに共有すると同時に、店舗の現状をヒアリングし認識したうえで、良品計画が目指す姿の実現に向けてディスカッションを行います。また、お客さまのご要望や店舗の困りごとをタイムリーかつ詳細に吸い上げることにもつながっています。

従業員エンゲージメントの向上

従業員全員が理念に共感しアクションをとる、エンゲージメントの高い会社を目指し、海外事業を含む良品計画グループのすべての従業員を対象に、「カルチャー&エンゲージメントサーベイ」を実施しています。従業員一人ひとりが「企業理念」「仕事の進め方」「カルチャー(組織風土)」「人間関係」「働きがい」などについて、どのように認識しているか現状を把握し、より良い職場環境づくりに向けた改善サイクルを回すことを目的としています。良品計画独自のエンゲージメント調査であり、「社会課題解決、インパクト創出」「自律性・自発性」「挑戦風土」などのインデックスごとに設問を設定し、良品計画という組織や風土に対するエンゲージメントを測っています。

調査概要

対象
海外事業を含む良品計画グループのすべての従業員※3
内容
27のインデックスのもと、46のオリジナル設問、6つの一般設問の合計52問で構成される、良品計画グループ独自の調査※4
実施期間
2024年7月~8月(前回2022年11月~12月)
回答率
96%(前回82%)

※3 世界12の国・地域で実施し、派遣従業員を除きます。

※4 サーベイの実施および回答の集計は第三者機関に委託しています。

前回の調査からの変化

良品計画では、「企業理念に共感している」「社会に役立つ仕事ができていると感じる」「会社に愛着を感じる」の3つの指標を「感じ良い暮らしと社会」の実現を目指す当社の原動力として注視しています。いずれの指標も、あらかじめ設定された関連設問の回答結果より算出しています。2022年の調査より、これらの指標および回答率において結果の向上が見られました。

調査結果に基づく改善

調査結果をもとに、組織や役職単位で協議を重ねることで、課題の分析・特定・改善を図っています。2022年の調査結果からは、会社の目指す方向性の社員への共有、強い信頼関係で結ばれたチームづくり、人員不足や業務過多による店舗負荷の大きさ、安心して働ける環境や制度の整備などに対する課題が浮かび上がりました。特定された課題に対し、経営層と従業員および従業員同士のコミュニケーション機会の増加、店舗オペレーションおよびITインフラの改善、報酬システムの大幅な見直しをはじめとする改善施策を進めてきました。また、各店舗単位でも店長が課題に取り組み、チームメンバーに直接働きかけたことで、2024年の調査結果の改善につながっています。今後も、一人ひとりの従業員にとってより良い職場環境となることを目指し、調査を活用しながら、継続的な改善に取り組んでいきます。

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