原材料調達の考え方

2025年12月、良品計画は「良品計画グループ 責任ある原材料調達指針」を策定するとともに、衣料品の繊維素材別の調達割合、および地球環境や動物福祉、生産者や地球社会への影響に配慮した環境配慮型素材の調達割合を算出しました。サプライチェーン全体で、良品計画グループが目指す素材調達に関する共通認識を持つことを目的に、原材料調達に関する各種指針やガイドラインを策定しています。今後はテキスタイル・皮革製品の主要原材料における環境配慮型素材の調達をより一層加速し、2030年8月期までに100%環境配慮型素材へ移行するための取り組みを進めていきます。
こうした可視化を行った背景には、気候変動や森林破壊などの環境課題の深刻化があります。繊維素材は自然資源への依存度が高く、その調達のあり方が企業の社会的責任に直結します。
良品計画は創業以来、「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」という3つの視点を軸にものづくりを続け、良品計画グループの人権方針、環境方針、また動物福祉に関する考え方に準拠して評価・認定した、環境配慮型素材の活用を進めてきました。2021年からは商品開発体制の強化を進め、日本と中国大陸を中心としていた生産管理拠点を東南アジアに拡げています。そこで、グループ全体で共通認識を持ち、環境配慮型素材への移行を加速するため、今回の指針・ガイドラインで定義を明確化し開示しました。さらに、これまで基準を設定していた綿・ウール・ダウンなどに加え、レザー、シルクなども含めたほぼすべての素材について環境配慮型素材の考え方を明記しています。策定した指針・ガイドラインはグループ会社や生産パートナーと共有し、指針・ガイドラインの遵守および原材料に関するすべての関連情報の管理を促すことで、透明性の向上に努めています。

2025年8月期に日本で企画した衣料品の調達量を算出したところ、その総量は37,958tでした。また自然資源への依存度や社会への影響度を可視化することを目的に、衣料品の繊維素材の調達割合も算出しました。その結果、世界の繊維生産量のうち、合成繊維が約7割※1を占めているのに対して、良品計画の繊維素材の内訳は植物・動物由来の繊維が75%、合成繊維が25%と、植物・動物由来の繊維を多く使用していることが明らかになりました。
算出にあたっては、Textile Exchange※2の「Fiber Uptake Calculations & Reporting Best Practices Guide」と「Fiber Conversion Methodology」を参照し、商品数量、素材構成比、生産過程で発生した廃棄物を含む素材重量、布から繊維への換算係数など複数データを組み合わせています。
※1 Textile Exchange. (2025) : Materials Market Reportより
※2 ファッション・繊維産業におけるサステナブル(持続可能)な素材や生産工程の普及を目指す非営利団体

良品計画における環境配慮型素材の定義は、SASB(サステナビリティ会計基準審議会)の基準を参照し、業界水準と整合させ、「テキスタイル製品の原材料調達ガイドライン」に記載しています。同ガイドラインに基づき、衣料品に使用される主要原材料における環境配慮型素材の調達割合も算出しています※3。2025年8月期における、ウールとダウンの環境配慮型素材の割合は100%、コットンは同99%に達しています。一方で、調達量の25%を占める合成繊維については、ポリエステルが同77.8%、ナイロンが同44.1%であり、環境配慮型素材の調達強化は今後も継続して注力していく必要があります。環境配慮型素材の調達100%に向けて、生産パートナーと協力しながら取り組みを進めています。

※3 集計期間について:2021年8月期~2024年8月期までは各年の春夏と秋冬に企画・販売した商品の繊維素材を対象とし、2025年8月期からは会計年度に合わせて集計しています。
※4 新型コロナウイルスによるサプライチェーンへの影響を最小化し綿の安定的な調達を進めた結果、オーガニックコットンの使用率が低下しました。2024年以降、オーガニックコットンに限らず、社会や環境に配慮した綿の選択肢を増やし、安定した原料の調達に努めています。
現在、衣料品分野における環境配慮型素材の割合は約80%です。主要原材料における環境配慮型素材100%を目指し、海外グループ会社、生産パートナーと連携して取り組みを進めていきます。また、衣料品分野に限らず、生活雑貨においても進捗管理を進めていきます。取り組み内容は統合報告書「MUJI REPORT」やウェブサイトで開示し、定量的な管理を継続することで、良品計画の取り組みについてステークホルダーの皆様の理解を深めていきます。
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