「MUJIcom ホテルメトロポリタン鎌倉」店長 永尾さん、「Café&Meal MUJI ホテルメトロポリタン鎌倉」店長 松木さん

左:MUJIcom ホテルメトロポリタン鎌倉店長 永尾さん
 右:Café&Meal MUJI ホテルメトロポリタン鎌倉店長 松木さん

4月24日(金)、ホテルメトロポリタン 鎌倉(神奈川県鎌倉市)の1階に、「MUJIcom ホテルメトロポリタン鎌倉」と「Café&Meal MUJI ホテルメトロポリタン鎌倉」がオープンしました。世界中から訪れる人や、この地で生活を営む人、ここで販売する商品・メニューを生み出す生産者など、この店舗に関わる人たちがそれぞれに想いを馳せ、実際に出会い、繋がりが生まれる場となることを目指しています。今回は、店長のお2人にお話を伺いました。

■地域の方々と旅行者がつどいつながる場を目指して
永尾さん
 MUJIcom ホテルメトロポリタン鎌倉は、「地域のリビング」になることを目指しています。観光地の印象が強い鎌倉ですが、移住してくる方も多く、当店が「観光」と「暮らし」が共存するためのハブになりたいと考えています。このタイミングでの開業は迷いもありましたが、地域のスーパーでは品物が不足し、困っているという地域の方々の声も伺っていたため、無印良品が営業することの意義は大きいと考え、決断しました。
 オープン準備期間中は、地域活動に参加して自ら交流のきっかけを作ったりするなど、地域の方々の声を積極的に聞きました。「食」に関するご意見も多くいただき、その日に廃棄せざるを得ない食材のみで作る「たべきるプレート」や、オープン後に開始したテイクアウトなどのサービスがCafé&Meal MUJIチームと連携して生まれました。地域の方々との協力も、Café&Meal MUJIとの協働も、アイデアが合わさって新しいことが生まれていくことはとても面白く、やりがいにつながっています。

松木さん
Café&Meal MUJI ホテルメトロポリタン鎌倉の店舗コンセプトは「古き良き食文化を後世につなぐ」です。日本には四季があり、旬のものを食すという食文化があります。鎌倉という土地はその長い歴史の中で、先人たちが育んできた土壌があり、海があります。その歴史と食文化を、素材やメニューを通じて表現することで、ここで暮らす子供たちに食べることの楽しさを伝え、健全で健康的な生活を送るために必要なことを感じてもらえる場所になればと考えています。
当店ではできる限り地元の食材を使うことにこだわり、シェフと共に、一から食材探しをしました。永尾さんがすでに地域のさまざまな業種の方々と信頼関係を構築してくださっていたので、そこから輪が広がっていきました。
中でも、特に鎌倉らしく、心打たれた食材は「鎌倉海藻ポーク」です。鎌倉の海岸に打ち上げられた海藻を収穫し乾燥させたものを飼料にして育てた豚肉なのですが、肉質が柔らかくて香り高く、どんな調理法でもおいしい素材です。またその海藻を収穫する作業を、市内の3つの福祉施設の方々が担っており、全国初の水産・福祉・畜産の連携で生まれた食材というところも感銘を受けました。

■オープン後のお客様の反応
永尾さん
 多くのお客様から「おめでとう!」「無印良品ができて助かる」とお声掛けいただき、地域にとって少しでも明るいニュースになったのだと感じられたことが嬉しかったです。また、開業前からご協力いただいた方々や、近隣商店の方々からもお祝いや激励の言葉をいただき、改めてたくさんの方に支えていただいていることを実感する機会となりました。
 旅行者がガイドブックをシェアする取り組みとして開始した、無印良品初のサービス「KAMAKURA SHARE BOOK」は、意外にも地域の方々の利用が増えています。当店にご来店いただく目的のひとつとなるよう、育てていきたいです。

松木さん
 このような状況のオープンではありましたが、地域の方々からあたたかい歓迎のお言葉をたくさんいただき、本当に救われました。また、デリバリーをしてもらいたいというお声も多くいただいています。この時期だからということもありますが、近隣には高齢の方も多くいらっしゃり、なかなか頻繁に外出ができない方のために、ご自宅まで食事を届ける事で健康的な生活を送る為のお手伝いをしていきたいと考えています。地域の方々のご期待に添えるよう、早い段階で形にしていきたいです。

■今後目指すもの
永尾さん
 店舗の外にも飛び出し、これまで無印良品を知らなかったお客様との接点を自ら生み出していきたいと考えています。オープンまでの間、通常の営業以外でできることがないかを日々考え、分からないなりに調べていくことで実現できる可能性が見えてきました。自ら考え、役割を創っていくことで、地域の役に立つことを増やしていけるのではないかという希望を感じています。
 また、スタッフにとっても働き甲斐のある環境を提供していきたいと考えています。そのひとつがスタッフのスキルを活かすことです。オープンをお知らせするニュースリリースで使用した店舗イメージはスタッフが描きましたし、今回の無印良人の画像も、カメラが得意なスタッフに撮影してもらいました。スタッフの力がなければお店は作れないと改めて感じています。だからこそ、一緒に働く仲間を尊重し高め合える環境を提供していくために、店舗責任者としての役割を果たせるよう努めていきます。

松木さん
 鎌倉の伝統や文化と心地よく共存し、地域の皆様に20年30年と永く愛されるレストランであり続けたいです。そのためにはまず、共に働くスタッフにとって生活の活力になるような環境を作ることが大事だと考えています。お互いの事を認め合いながら働き、仕事を通じて学びや喜びを感じてもらえるような店づくりをしていきたいです。
 また当店では、キッチンやホールというカテゴリーでスタッフの配置を分けることはせず、全員で調理も接客も行うという運営スタイルをとっています。140席以上かつすべての料理を手作りで提供するレストランとしては、非常に難易度の高いことに挑戦をしていますが、お互いの仕事を理解し助け合う環境を作る事で、お客様を1番に考えた仕事ができていると感じます。このスタイルが人材難に悩む飲食業界の良きモデルになると信じ、挑戦し続けていきます。
 お近くにお越しの際にはぜひお立ち寄りください。スタッフ一同、心からおもてなしをさせていただきます。

■関連リンク
「MUJI com ホテルメトロポリタン鎌倉」「Café&Meal MUJI ホテルメトロポリタン鎌倉」オープンのお知らせ

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